2010年10月29日
先週土曜日に、あるセミナーに参加しました。
講師は中国で勤務されている歯科医師でしたが、その話はとても面白くまた、ショッキングでした。
中国では、歯科医師(医師)は1ツ星から4ツ星までに、経験や実力で階級付けされていているそうで、
経験を重ね努力して専門医となった歯科医師だけが4ツ星になれ、収入も多いそうです。
ただ、何年かおきに試験などがあり、常に勉強していなければならないようです。
病院に行くと、3ツ星、4ツ星の歯科医師は指名制になっていて、指名料もかかり治療費もかなり違いがあるそうです。
人気のある歯科医師に診てもらうには競争があり、1ツ星と4ツ星の収入の差は、1000倍近いという話で驚きです。
日本は健康保険制度により、卒業仕立ての医師も経験20年の歯科医師も、同じ治療費となっています。
専門医だからと言って治療費が高くなることもありません。
そして、治療費の支払いには、出来高制というものが基本となっており、なにか問題が生じない限り保険治療の内容、質は基本的には問われることはありません。
収入をが増やすには、いかに多くの患者さんを診て、保険点数の高い治療を、短時間で行っていくかということになってしまいます。
保険で時間をかけて丁寧な治療を行おうとすれば、収入は当然少なくなっていきます。
日本と中国の医療を考えると、どちらが共産主義国なのか資本主義国なのか、本当に疑問を持ってしまいますね?
2010年10月25日
最近、ファブリーズという除菌のコマーシャルを見ていて、疑問を感じませんか?
絨毯を夜洗いとか言って、お父さんや子供たちが裸足で歩いた後を、お母さんが夜中にシュッ、シュッと霧となったファブリーズをまいているものです。
こんなことをしてどういう意味があるのでしょうか?そもそも除菌する必要性があるのでしょうか?通常は掃除機をかけていれば十分だと思います。
人の体の中には、重さにして2Kgの菌が住んでいるそうです。人体常在菌ですが、体内に500種、500兆個の菌がいて、表皮には1平方センチメートル当たり約3億個の菌が住んでいると言われています。
常在菌には大きく分けて、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類があります。日和見菌というのは、普段は問題ないのですが、体調が悪かったり、免疫力が下がったりした時には、害を及ぼします。
お口の中も、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」がたくさん住んでいます。虫歯の原因となるミュータンス菌や、歯周病の原因となるジンジバリス菌という悪玉菌がいます。
そのような悪玉菌を減らし善玉菌を増やすために、ある種の乳酸菌を含有した錠剤を食べるバクテリアセラピーという方法があります。
http://www.biogaia.jp/oral/
いかに善玉菌を増やし、悪玉菌に打ち勝つ体の免疫力をつけることが、単なる除菌よりもずっと重要だと思います。
最近アトピーや花粉症の人が多いのは、きれいにしずぎることが原因だという意見もありますから。
2010年10月18日
先日、デンタルショーがパシフィコ横浜で開かれ、行ってきました。
展示会場は、とても広く、活気がありました。
歯科の大きな講演会も一緒だったので、全国から歯科関係者が数万人単位で、来ているようでした。
展示の中で興味があったのは、CAD-CAMです。すでに僕も取り入れている、3MのLAVAシステムですが、今まではクラウンのフレームをCAD-CAMで作っていましたが、今度は歯の形そのものも、作れるようになったのです。しかも、口の中にスキャナーを直接入れて、歯の支台(削った歯)の形を読み取り、更にその周りの歯や、かみ合わせの歯の形も読み取ります。
咬み合わせの記録も、スキャナーで読み取ることができます。
http://solutions.3m.com/wps/portal/3M/en_US/3M-ESPE/dental-professionals/products/category/cad-cam/lava-cos-digital-impression-system/
その他に興味があったのはアンダーアーマーというスポーツグッズの会社の、マウスガードです。アンダーアーマーは、アメリカの会社ですが、日本でもスポーツウェアやシューズを売っています。僕も、通っているスポーツジムのルネサンスでアンダーアーマーの上下のスポーツウェアを買って使っています。
そのマウスガードを、歯科医院で販売するようにするそうです。患者さんの価格は6万円くらいだそうです。 http://www.underarmour.co.jp/
そんな高い価格では売れないのではと思ったのですが、ブランド名で結構アメリカでは売れているとのことでした。
久しぶりに、同級生に会場で会いました。同級生4人で、パンパシフィックホテルのバーに行き、お酒を飲みました。その後、僕の地元の東京ミッドタウンにあるお気に入りのユニオンスクウェア東京で、食事をし近くのバーでまた2時過ぎまで飲んでいました。
仲の良かった同級生と久しぶりに会って話をしていると、時を忘れてしまいますね。
2010年10月14日
「ミルキーはママの味」のミルキーですが、歯によくくっつくんですね。
糖分も多いし、歯によくありません。
毎日食べていると、虫歯になりやすい人だったら、たいへんです。
しかし、・・・これがうちの歯科医院で隠れた活躍をしています。
実は歯によくくっつくのが非常にいいのです。しかも、噛むとちょうど良い硬さなんです。
歯型をとって作った冠や詰め物は、接着剤でくっつける前に、形や色や咬み合わせをチェックするために、歯にはめるのですが、時々、ピッタリできていてはすれなくなってしまうことがあるのです。
そんな時の救世主が、このミルキーです。
今日もはずれなくなった詰め物をミルキーが、救ってくれました。
ミルキーを患者さんに咬んでもらったら、はずれなかった詰め物が一発で簡単にはずれました。
そう言えば、昔、大学病院の冷蔵庫に笹飴が入っていたのを思い出します。
追加:
後で、ミルキーのブログを見ていたら、歯の詰め物がはずれた話がたくさん載っていました。
詰め物が入っている方は、本当にはずれますので、噛むのは危険ですよ。
虫歯にもなりますので、要注意です。飴、ガムはシュガーレスのみ食べましょう!
2010年10月12日
10月9日、日本催眠学会に参加してきました。
日本催眠学会は、催眠を科学的(医学的、心理学的、生理学的)に研究し、解明することを目的としています。
参加者は70名くらいでした。医学部の医師から、歯科医、看護師、臨床心理士、学校の先生など、いろいろな職種の方が、いらしていました。
脳性麻痺の児童からパーキンソン症のお年寄りまで、教育動作という手法で治療を行っている菱沼先生の講演がありました。
体の中に、基点を作り、緊張をとりスムースに動くようにしていくことで、動かなかった手足が動いたり、歩けない人が歩けるようになったりと、興味深い講演でした。
しかし、理解できないことも多く、講演中も、終了後の懇親会でも質問をしていたところ、実際にやってみましょうということになり、自分もやって頂きました。
やって頂くと、先生は「うーん、すごいストレスがありますね」と言いながら、僕の肩や頭を動かし始めました。
もともと、特に動かない部分があるわけではなかったので、よくわかりませんでしたが、なんとなく首周りのこりがなくなったような気がしました。
これは、気のせいだったのかもしれません。
でも、「気のせい」というのは、科学が進歩すれば、そのメカニズムがわかるようになるかもしれません。
「気」という言葉は、本当によく使われています。
「病は気から」といいますが、それがそのまま「病気」ですね。
「元気」という言葉もありますが、「元は気です」と考えると、健康は「気」から始まるということなのかもしれません。
しかし、この世は不思議なことだらけ、だから生きているのが楽しく感じるのかもしれません!
2010年10月6日
最近はインプラント治療に対しての知識が、一般の方にもかなり広まってきたようです。確かにインプラント治療は昔と比べて信頼度の高い治療法となり、審美性、安全性も高くなってきました。
しかし、入れ歯とインプラント、どっちがいいのかは、人それぞれだと思います。
若い方で、少数の歯が欠損しているだけでしたら、インプラントはかなり有効な治療法だと思います。
逆にお年寄りで、たくさんの歯が欠損している場合には、入れ歯で十分噛むことができれば、お年寄りには入れ歯の方が、適しているように思います。
僕のクリニックでは、どっちがいいのかは、患者さんと十分に相談をして決めることにしています。
それぞれに利点、欠点がありますので、それらを考えた時に、どっちが自分に適しているのかを選択することが重要です。
しかし、入れ歯はダメだという患者さんの中には、入れ歯が合っていない場合が多いです。健康保険で作られる入れ歯は、基本的にいい入れ歯ではありません。最低限の入れ歯といったほうがいいでしょう。それでも、条件が良ければ、まったく問題はありません。
入れ歯作りは、ある意味職人技です。歯科医師も歯科技工士も丁寧に時間をかけて一生懸命作らなければ、いい入れ歯は作れません。
最近は入れ歯とインプラントを併用した治療法も、多く行っています。例えば、下顎が総入れ歯で、歯肉が痩せていて入れ歯が安定せずに、簡単にはずれてしまう場合には、インプラントを前歯の部分に2本だけ埋入し、そこにマグネットでくっつくようにします。マグネットは、1個で400~800グラムの力でくっつきますので、かなり強力です。
入れ歯で苦労していた患者さんは、ずっと噛めるようになり皆さん喜んでくれます。