【予防歯科】極細毛に要注意!
2010年09月16日
最近、極細毛の歯ブラシが、流行っているようですね。ライオンのデンターシステマやジョンソン&ジョンソンのリーチなどで、極細毛の歯ブラシが有名です。
しかし、この極細毛に対し、僕も含め歯科医師の中には危険性を感じている先生もいます。
まず、毛先が細く尖っているため、歯茎を傷つけやすくなってしまいます。患者さんの中には、毛先が歯ぐきを傷つけ、歯ぐきに横線が入っている方を見かけることがあります。
通常、健康な歯茎では、歯と歯茎の境目から0~1mmmくらいの深さからは、上皮付着といって接着タンパクによってくっついています。これは、生物学的に細菌などが入らないようにするシールドです。
ですからあまり深く毛先をつっこんでしまえば、その上皮付着をはがすことになってしまうのです。
毎回歯磨きをする度に、上皮付着をはがしているとどうなるでしょうか?
生体は、細菌が入ってこないように上皮付着をさらに、深い位置に作ろうとします。ということは、歯を支えている歯槽骨が吸収し、歯茎は退縮してしまうことになるでしょう。
極細毛を使う注意点として、歯周病でポケット(歯と歯茎の隙間)が深くて炎症がある方が使うべきであり、健康な歯茎には使わない方がいいと考えています。
そして、力を入れすぎないでそっと磨くこと、あまり大きなストロークで速く毛先を動かさないことを注意した方がいいと思います。
こんなことを書くと歯ブラシメーカーから怒られそうですが、歯磨きによる害って結構多いので、皆さん気をつけましょう。