【インプラント】歯の移植
2007年10月23日
院長の坪田です。
先日、10年ぶりくらいに、ある患者さんがやってきました。
その方は、15年前に、下の奥歯に、歯を移植した方でした。
歯の移植というのは、歯がなくなってしまったところに、必要のない自分の歯(通常は親知らず)を抜いて、植える治療です。
見てみると、歯はぐらぐらになっていました。
力のかかる一番奥の歯だったので、かなり負担がかかっていたものと思います。
他の歯も放っておいたので、歯周病になっていました。
今回は、親知らずのように必要のない歯はないので、抜いてインプラント治療を行う予定です。
最近では、インプラントが主流となってきて、歯の移植は、あまり行われなくなってきましたが、僕は捨てたもんじゃないと思っています。
インプラントには、天然の歯では存在する歯根膜というものがありません。
移植した歯は、自分の歯ですから、次のように、インプラントと違うメリットがある。
1、歯根膜(歯の周りの繊維組織)があり、その中に圧力センサーがあり、咬みごこちが自然。
2、歯根膜は、クッションの役目を備え、咬みあう相手の歯に負担がかからない。
3、インプラントは、残っている自分の歯とつなげて、ブリッジにしてはいけないと言われているが、移植した歯では問題ない。
4、インプラントでは、感染を放っておいて除去すると、大きな骨のダメージが起きてしまうが、移植歯では稀である。
5、インプラントと比較して治療期間が短く、治療費が安い。
もちろん、インプラントのメリットもたくさんありますので、患者さんと歯科医師が相談して、治療法を決めることが大事です。